Vol.1

今日、ついに「R」の日になった。

朝からそわそわする。
自分はただ見るだけなのに、朝も早く目が覚めて、、、早く移動したい。
気持ちは、もはや石巻にある。
それでも予定は予定、予定が終わらないと石巻には移動出来ない。
ただ、予定が終わってくれれば良い。
とにかく時間が過ぎてしまえば良い。
午後、石巻への移動手段の車が出て行く。
そして、車が帰って来ない。
予定は予定仕方無い。
18時には街中にいたい。18時から「R」が始まる。
最初から見たい。最後まで見たい。
しかし、車は16時半、混雑する45号線を石巻に向かう。
実家に車を泊めて自転車で行くんだ!
会場近くまで着いて、迷子・・・。俺は一体何をしているんだ。
人通りが少ない街角で、歩いて探すが見つからない。
ふと、音楽が聞こえる。
これはライブハウスから音漏れするような雰囲気。
着いた「R」会場の「IRORI」だ!
外から主催者の顔が見える。
間違いない。
中へどうぞ!それは勿論入るさ!
これを見に来たんだ。
一組目が終わったのか・・・やはり間に合わなかった。
次も音楽の出演。
アコースティックギターでしゃがれた格好良い声!
そして、演劇・・・この劇は忘れられない劇になる。
この劇を見てから、心のスイッチが入りっぱなしになっている。
劇は、全てを切り取る事は出来ない。
全てを真実のまま伝える事は出来ない。
だけど、その伝えたい事に共感する。
主催者は言った。
「想像力」
このキーワードに、劇は、そのまま。
去年、とあるビジネス研修に出た。
ビジネスプランを練った。
無い頭をフルに使った。
特に出だし、ビジネスプランを考える時に
何が復興か?何が復旧か?
何が石巻に必要で、どうやって未来の石巻を描くのか?
永遠に考えていた。
そして幾つか出たビジネスプランの案は、まさに想像力の産物。
そして、それが劇になっているような錯覚さえもあった。
劇は心に刺さる内容だった。
この劇は、俺の記憶に残る劇になった。
そして、楽しい音楽が続く。
ずっと、自然と体が動くような楽しい音楽だった。
楽しさが続く会場!
音楽偉大だね。
思いがけず打上げに混ぜてもらって、
出演者の方と酒を飲む機会を得た。
主催者の友人、家族の方とも話せた。
打上げも本当に楽しかった。
こんなに楽しかったのは震災以降無かった。
何かを楽しんで良いとも思う事も無かった。
石巻は静かに動き続ける。
革命も「R」、再会も「R」
石巻の事を沢山の事を思い出させられる。
繰り返し繰り返し。
頭によぎる。
この地域は、再興する。
そんな夜明け近い時間に家路を辿った。
そっか、夜明け前はまだ暗いんだね。